以下は当院独自のこともあり(院長の思い込みもあるかも)あくまでも参考です。
妊娠初期
妊娠4週~12週くらいまではあかちゃんの体のできる期間です。あまり無理のないようにしましょう。
つわり(妊娠悪阻)
つわりは依存心の強い方に多いようですが、必ずしも精神的な問題のみとはいえないようです。妊娠6週くらいから出現しますが、妊娠12週頃までにはほとんどの方が軽快しますのでがんばりましょう。体重減少の著しいときは、点滴や入院が必要ですので遠慮なく相談してください。
下腹痛・出血
下腹痛は軽いものであれば出血のないかぎり心配ありません。出血は、妊娠初期に絨毛細胞が子宮に根をはやして胎盤を作る際にあるようですが、少量の出血は心配ありません。生理よりも多い出血は流産の可能性がありますが、流産はほとんどが受精卵の異常(染色体異常や奇形)のためといわれており、この場合は薬・安静で止めることはできません。生理よりも程度のひどい出血や下腹痛は遠慮なく相談してください。
おくすり
妊娠4週から妊娠12週ごろまでは、胎児のからだができる期間なので極力ひかえた方がよいでしょう。ただ、必要な薬は医師と相談して服用しましょう。投薬の必要な病気を放っておくほうが問題です。
日常生活
妊娠したからといって、いままでの生活をすべて変える必要はありません。ただ、妊娠前より疲れやすくなったり、ふらふらすることがありますので、仕事、運動、旅行(妊娠14週~20週は妊娠の安定期です)、車の運転(二輪車はあまり好ましくありません)は、無理のないよう心がけましょう。
仕事・運動
基本的に続けて結構ですが、自分に無理のない範囲で行ってください。 また医師から止められたときは休んでください。
妊娠中期
妊娠12週~妊娠20週頃は妊娠の安定期です。
妊娠中にどうしても済ませなくてなくてはならない用事は、この時期にすませましょう。妊娠22週~妊娠36週はうまれると早産ですので、無理しないようにしましょう。
腹帯
諸説ありますが、腹帯は安産の犬にちなんだお守りです。大きくなったおなかを固定してくれるので動きやすくなります。ただ、きつくまきすぎると妊娠中の合併症を増やします。
妊婦健診
当院の妊婦健診では血圧測定、体重計測、尿検査(蛋白、糖、ケトン、潜血)、超音波による子宮の形や血流検査、、内診(自覚症状で子宮収縮、帯下が多い方)による母体のチェック、腹囲、子宮底、超音波(胎児の形態異常や胎児胎盤血流検査)、胎児心拍数図(妊娠28週以後必要な方)による胎児のチェックを行っています。間隔は妊娠12週~妊娠24週は4週に1回、妊娠25週~妊娠36週は2週に1回、妊娠37週以降は1週に1回です。(妊娠合併症のあるときは縮めます)
おなかのはり・おりもの(出血をふくむ)
・胎動の3つの症状は妊婦健診時必ず聞きますが、妊娠中に起こりうる病気(切迫流・早産、胎児仮死など)の始まりのことがあります。胎動(あかちゃんの動き)は妊娠16週~18週ごろから感じ、次第に増えます。妊娠34週ごろには周期的に動くようになります。ちなみに元気な子ほど子宮の中で動き回り、一時的に”さかご”となることがありますが、ほとんどの方で妊娠34週頃までに頭が下になります。
もし、おなかのはりが頻繁にあったり、下着がしょっちゅう汚れる、胎動があまりに少ないと感じたら、遠慮なく受診してください。
病気になったときのくすり、治療 妊娠14週頃を過ぎると奇形の心配はなくなり、かぜなどで診療所で処方されるくすりは飲んでもかまいません。とくに、歯は口の中が酸性となるため、虫歯になりやすくなっています。歯医者さんでの治療はかまいません。
嗜好品
たばこは子宮の血管を収縮させ、胎児へ十分な酸素・栄養が供給できなくなるのでやめましょう。お酒はほどほどならかまいません。その他は非妊時とほぼ同じで結構です。
性生活
切迫流産・早産兆候がなければかまいませんが、精液中の細菌や精子の蛋白分解酵素が切迫早産や破水の原因になるといわれており、コンドームを使用してください。
妊娠後期
もうすぐあかちゃんが生まれます もうそろそろおなかのはり(子宮の収縮)が増え、胎児の動きが減ってきます。お産にそなえて心身ともに準備をはじめましょう。
おなかのはり
妊娠34週を過ぎると、子宮もそろそろ収縮の練習(前駆陣痛)をはじめます。おしるし(微量の出血)や、規則的な痛みがくればいよいよ陣痛です。
おりもの
黄・白色のおりものが多いときは膣の中に細菌・かびが増えているかもしれません。また、水様性で生臭いものは羊水かもしれません(たいていの方で破水感があります)。量の多いとき、かゆいときは遠慮なく受診してください。
胎動
そろそろ、胎児の頭が下がって動きが減るかもしれません。でも胎児の足は元気に子宮の上の方を蹴っているはずです。ただ、妊娠32週を過ぎると胎児でも寝たり、起きたりしているので周期的に感じると思います。胎動の極度に少ないと思うときは遠慮なく受診してください。